建設業は、以前から別記事業として特別の取り扱いを受けており、建設業法における会計が求められています。また、建設業法に規定する経営事項審査や建設業許可などの制度においては、会計データが重要な役割を果たしています。一方、中小企業を対象とした会計のルールである「中小企業の会計に関する基本要領」や「中小企業の会計に関する指針」が策定され、これらを適用した中小企業に対して、様々な金融上の優遇措置が設けられています。本書は、中小会計のルールと建設業法下の会計との関係を踏まえながら、中小建設業に関係する項目をすべて網羅した総合的な実務書となっています。項目ごとの解説に加え、設例による仕訳や表示方法など、中小建設業会計の全体を把握することができる解説書です。日々の実務の中で、十分にご活用いただけることを確信しております。
第1部 中小建設業にとって望ましい会計のルール 1 要領策定の経緯と基本的考え方 2 要領の特徴
第2部 中小建設業における会計処理と計算書類の作成 Ⅰ 中小建設業における基本的な会計処理 1 企業会計の基本的な考え方 2 完成工事高の基本的な会計処理 3 完成工事未収入金および工事未払金 4 貸倒損失、貸倒引当金 5 有価証券 6 未成工事支出金 7 経過勘定 8 固定資産 9 繰延資産 10 リース取引 11 引当金 12 外貨建取引等 Ⅱ 中小建設業の原価計算の基本 1 建設工事原価計算の基本的な目的 2 中小建設企業の実施する原価計算 3 工事別の個別原価計算 4 完成工事原価報告書の様式 Ⅲ 中小建設業の経営管理を向上させるための会計処理 1 工事進行基準 2 工事間接費(現場共通費)の配賦 3 有価証券の保有目的別処理 4 保有材料の会計処理 5 固定資産の減損処理 6 ジョイント・ベンチャーの会計 7 原価管理(コスト・マネジメント)の基本 8 「要領」から「指針」への展開 Ⅳ 中小建設業における計算書類の作成 1 建設業許可と計算書類 2 貸借対照表 3 損益計算書 4 完成工事原価報告書 5 株主資本等変動計算書 6 注記表 7 附属明細表 8 経営事項審査と計算書類
第3部 中小建設業の会計と経営に関する実態調査 1 実態調査の目的等 2 実態調査結果
資料 1 中小会計要領チェックリスト 2 中小会計指針チェックリスト